【海外放浪者向け】退職して長期海外渡航する人は失業保険(雇用保険)を受け取れるのか

【海外放浪者向け】退職して長期海外渡航する人は失業保険(雇用保険)を受け取れるのか

私は約4年半勤めた会社を退職し、1年から2年ほどの期間で海外放浪に行く予定です。

転職や海外転勤でもなければ、個人で副収入があるわけではないので、会社員時代に蓄えた貯金が尽きてしまうと放浪が続けられなくなってしまいます。

そのためお金の問題は非常にシビアです。旅も極貧旅になること必至です。

 

海外に行かないとしても、会社を辞めて安定した収入が無くなってしまう、同じような境遇の人は多くいらっしゃるのではないかと思います。

そんな人の助けとなるのが失業保険(雇用保険、失業手当)です。

 

そこで今回は自己都合にしろ会社都合にしろ、会社をやめることになり新たな道を模索する人に向けて、失業保険について紹介します。そして会社を辞めて海外に行くような人も失業保険を受け取ることが出来るのか、そのルールを知っておきましょう。

 



失業保険とは

失業保険とは会社を退職して次の就職先が決まっていない状態(失業)の一定期間、転職や再就職を支援するために国から支給される手当のことです。

失業保険は失業給付金手当や雇用保険、失業手当と呼ばれたりもします。

 

急な会社の倒産など会社都合での失業で働けなくなった場合だけでなく、自己都合で退職した場合でも、未就労期間(離職期間)の生活で収入の頼りになるセーフティネットのような役割を果たすのが失業保険です。

加入者は退職後も引き続き働く意思があり、転職活動を行う場合に失業保険(失業手当)を受給することが可能とされています。

 


失業保険を受けるための条件

失業時のライフラインとしての役割を果たす失業保険ですが、全ての人がもらえるわけではありません。退職の理由(会社都合か事項都合か)に応じて、条件が定められています。

自己都合退職の場合

労働者が自発的に退職を申し出たうえで離職した場合は、正当な理由の有無で受給条件が変わってきます。

<正当な理由ありの場合>

  • 配偶者の転勤同行で通勤不可能または困難のため
  • 家族の介護のため
  • 疾病による就業困難のため

など、退職にかかわる理由が「正当な理由のある自己都合退職」とみなされた場合は、下記の条件となります。

・離職日以前の1年間に、被保険者期間が通算して6ヵ月以上あること

 

<正当な理由なしの場合>

上記で上げたような正当な理由がなく、自発的な理由で退職した場合は下記の条件となります。

・離職日以前の2年間に、被保険者期間が通算して12ヵ月以上あること

 

また自己都合での退職の場合、求職の申し込み手続きが終わっても、待機期間として3ヶ月間の給付制限がかけられるため、給付を受けられるのは退職後4ヶ月目から3ヶ月間となります。

 

なお定年退職や更新予定のない有期雇用契約の満了など、あらかじめ合意されていた理由により失業した場合の受給条件は、正当な理由がない場合の自己都合退職と同じとみなされます。ただし、こちらの場合は3ヵ月の給付制限はかかりません。

会社都合退職の場合

  • 解雇(懲戒解雇は除く)
  • 倒産
  • 退職勧奨
  • 更新が予定されていた有期契約(3年以上)の打ち切り

などの理由で、非自発的に失業した場合は下記の条件となります。

・離職日以前の1年間に、被保険者期間が通算して6ヵ月以上あること

 

また会社都合での退職の場合は、求職の申請後の待期期間は7日間となります。

失業給付金を受けるための手続き

失業保険(失業手当)をもらうまでの流れについて、具体的にご紹介します。

必要書類の準備

まずは、下記の書類を準備をしましょう。

「雇用保険被保険者離職票」は、勤めていた会社から発行されます。会社によっては依頼がなければ発行しないケースもありますので、離職前後に必ず確認し、手に入れましょう。

・雇用保険被保険者離職票

・マイナンバーカード
※マイナンバーカードがない場合は次の【1】と【2】の両方が必要になります。

【1】マイナンバー確認書類(いずれか1つ)
マイナンバー通知カード、マイナンバーの記載がある住民票(住民票記載事項証明書)
【2】身元確認書類
※(1)のうちいずれか1種類。(1)がない場合、(2)のうち異なる2種類(コピー不可)
(1)運転免許証、官公署が発行した身分証明書・資格証明書(写真付き)など
(2)公的医療保険の被保険者証、年金手帳など

  • 証明写真(縦3cm×横2.5cm)2枚
  • 本人の印鑑(認印で可。スタンプ印不可)
  • 本人名義の預金通帳またはキャッシュカード(インターネットバンク・外資系金融機関以外のもの)ただし、金融機関指定届に金融機関による確認印がある場合、通帳は不要

ハローワークで手続きをする

離職票を手に入れたら、必要書類を持参し、速やかにハローワークに行きましょう。ここで、

  • 求職申込み
  • 離職票等必要書類の提出
  • 雇用保険説明会の日時決定

を行います。

 

「求職申込み」は、再就職の意思を示すものです。離職票を提出する際には、記載されている離職理由が自分の認識と相違ないか確認して提出しましょう。

その場で次に説明する雇用保険説明会の参加日時について確認されます。

 

雇用保険説明会に参加する

指定された日時に雇用保険説明会(雇用保険受給者初回説明会)に行きます。この説明会で「失業認定日」が分かりますので、チェックしましょう。

 

失業認定日にハローワークに行く

失業手当を受給するには、失業認定を受けるまでに月2回以上の求職活動が必要になります。(回数はハローワークより指定されます)

求職活動を行った後、失業認定日にハローワークへ行き、失業認定申告書を提出し、失業の認定を受けましょう。

 

受給する

失業認定日から通常5営業日後に、指定の口座に失業手当が振り込まれます。以後は、原則として4週間に1度、失業の認定をハローワークで受けることで継続的な受給が可能となります。

 

自己都合による退職の場合は、手続きに要する時間以外に、3ヶ月の給付制限期間を経てから給付対象となります。

 

【注意】
失業手当がもらえる期間は、離職日の翌日から1年間です。手続きが遅れてしまうと、最後までもらいきれないこともあるので注意しましょう。

 

海外に行く人は受け取れるのか

さてこれまで見てきた条件を鑑みてみると、海外に行きながら受給するのはなかなか難しいと言わざるを得ないでしょう。

「受給手続き」が高い壁となっているからです。

受給手続きの壁

失業保険を受給するまでの道のりは、自己都合での退職の場合以下になります。

  • 退職後、離職票及び必要書類を持ってハローワークに行き申し込む
  • 完全失業者である事を確認するために、待機期間である7日間待つ
  • 失業保険がもらえない給付制限期間3ヶ月間を、1ヶ月に2回以上ハローワークに行き、失業認定報告書の提出や就業活動をしながら過ごす。
  • 4ヶ月目から6ヶ月目まで、1ヶ月毎に失業保険がもらえる。ここでも1ヶ月に2回以上ハローワークに行き、失業認定報告書の提出や就業活動をしながら過ごす。

 

つまり、退職後半年間月2回以上ハローワークに顔を出す必要があるのです。

給付のための半年の期間に海外に居ては、その都度帰国の必要があるため、放浪しながら受給するのは飛行機代なども考えても困難でしょう。

 

海外に行くまでに猶予がある人であれば、出国するのを退職から半年後にすれば、受給してから行くという選択肢は取れるでしょう。

 

それ以前に、失業保険は再就職を目指す人を支援するための制度であり、「就職したいという意志があること」「積極的に求職活動をしていること」というのが前提となりますので、海外放浪に行く人が受け取るというのがそもそもの趣旨からずれる制度であるという点もありますが。。。

 

また失業保険を受給できるのは、離職から1年間という規定があるので、海外放浪から帰ってきてから受給しようとした場合、1年以上放浪する場合はそれも実現不可となります。

 

さらに給付を受けるための前提条件としてですが、日本に住民票があることが前提となりますので、海外転出届などを出して住民票を抜いてしまう場合、そもそも受給不可となります。

 

支給金額っていくら?

実際に失業保険(失業手当)の申請が認定された場合は、どのぐらいの金額を受給することができるのでしょうか?

失業手当の受給額は、1日あたりの受給額を指す「基本手当日額」と、給付される日数である「所定給付日数」によって決まります。

 

<基本手当日額>
賃金日額(退職前6ヵ月の賃金合計÷180)×給付率(45~80%)
で算出されます。

給付率は、賃金が高かった人は低く、賃金が低かった人は高く設定されています。

また、年齢に応じて上限額が変わっており、上限額が定められています(下限額もあり)。

 

<年齢別基本手当 日額上限金額>

30歳未満:     6,710円
30歳以上45歳未満: 7,455円
45歳以上60歳未満 :8,205円
60歳以上65歳未満 :7,042円

 

<所定給付日数>
所定給付日数は、勤務した期間と年齢、会社都合退職か自己都合退職かによって変わります。

基本的には長期間努めているほど給付日数は長くなります。また年齢は45歳~60未満の人が一番長く給付を受けられ、20年以上努めて居た場合330日の給付が受けられます。

 

なお、自己都合退職の場合は、年齢は関係なく勤務期間で所定給付日数が決まっており、10年未満は90日、10年以上20年未満で120日、20年以上で150日となっています。

まとめ

退職して失業保険もらいながらお得に海外回るぜ!と思っていた方。残念ですがなかなかハードルは高そうです。

出国を遅らせることが出来る人は失業保険をもらってから海外に出てもいいですが、すぐに出ていく必要がある場合、失業保険の受給は諦めたほうが良さそうですね。

 

この記事があなたのお役に立てば幸いです。