米中経済制裁で話題のHuawei(ファーウェイ)はどんな特徴の企業?中国4大IT企業BATHの特徴と今後の成長について考察

米中経済制裁で話題のHuawei(ファーウェイ)はどんな特徴の企業?中国4大IT企業BATHの特徴と今後の成長について考察

こんにちは。チリ毛(@chirigetravel)です。

この記事では米中貿易摩擦やアメリカから中国に対する経済制裁で注目を集めている中国のファーウェイ社の事業内容と、中国4大IT企業であるBATHのそれぞれの経営上の特徴について紹介したいと思います。

 

ファーウェイは中国IT企業の中でも4大企業と言われる「BATH(バイドゥ、アリババ、テンセント、ファーウェイ)」の一角として、中国のみならず世界の中でも大きな影響力を持っています。

一般の人であれば、ファーウェイといえばスマートフォンを思い浮かべるかと思いますが、その他にもAI事業やR&D市場において積極的な事業展開を行っています。

 

そんな中、ファーウェイへの米国の事実上の輸出禁止規制の影響は世界の企業に広がり始め、ファーウェイ騒動が至る所にその余波を引き起こしています。

そこで今回はファーウェイの事業につき紹介させて頂き、BATH企業のそれぞれの経営上の特徴を分析した上で、日系企業はどう戦略を打つべきか?考えてみたいと思います。

 



中国 「BATH」 とは?

BATH とは中国企業である

  • バイドゥ
  • アリババ
  • テンセント
  • ファーウェイ

のことで、中国版 GAFA(Google・Amazon・Facebook・Apple)のような存在として、中国経済/社会の変革を牽引しており、最近話題の米中貿易摩擦の発端ともなった中国の技術革新を支えています。

 

FINTECH、AI の領域での ICT 企業としての活動に留まらず、ニューリテール等の多くの分野に進出した BATH 四社のサービス・プロダクトが中国人の生活に今や不可欠なものとなり、中国国内では絶対の規模と影響力を示すようになりました。

 

さらに、BATH 四社は積極的に海外進出を図っています。

 

ファーウェイ事業の紹介とBATHの経営上の特徴

それではここからはファーウェイ社のこれまでの事業の歴史と、BATHの経営業の特徴について紹介していきます。

ファーウェイ社の事業の歴史

(1)    創業者のRen Zhengfei(任正非(ジン・セイヒ))は、1987年に構内交換機の代理店として起業し、1991年から自社開発を行い始めたことがファーウェイの始まりです。

農村都市を包囲する戦略で、海外市場(欧州と中東アフリカ、アジア太平洋)の成長を見込んで事業展開をおこなっていきました。

 

(2)    ファーウェイはR&Dを重視し(過去10年間のR&D投資は4800億元)、世界中に拠点となる研究所、人材を置いて、特許を取得しました。

R&Dはファーウェイの生命線とも言え、2009年から5Gに関するR&Dを始動し、昨今は自動運転にも注力しています。

 

(3)    ファーウェイは独特の企業文化を形成しており、

①社員がデスクにマットレスを忍ばせてお昼寝をすることを是とする「マットレス文化」、

②オオカミのように積極的に攻めていく「オオカミ文化」

の2点が有名です。

かなり独特な企業文化と言えます。

 

(4)    ビジネス領域は4つの軸(①通信事業者、②企業、③コンシューマー、④クラウド)で成り立っており、2018年度の事業別売上高は7,212億元です。

2010年からコンシューマー事業が急成長し、売上高は2010年309億元から2018年に3489億元にまで増加しました。

コンシューマー向け事業として有名なのがスマホ事業です。

スマホ出荷台数で、世界におけるマーケットシェアを上昇させています。

 

(5)    日本でも現在ホットな話題である5Gに関する特許出願件数は1970件で中国トップであり、5Gを積極的に推進する中国から国有キャリアの商用トライアルの許認可を受けました。

 

このように、ファーウェイはスマートホン端末に関する事業だけでなく、R&D、回線などの事業にも注力している巨大IT企業ということができます。

 

ファーウェイ社の経営上の特徴

ここからはファーウェイ社の経営上の特徴について紹介していきます。

 

(1)    BATHでは、ミッション、価値観、人材を重視する企業文化の醸成が図られています。

例として、アリババはニックネームでお互いを呼び合う文化、女性が活躍しやすい文化(36人のパートナーの内12人が女性)を生み出しました。

ファーウェイは社員持株制度を推進し、輪番CEO制度を構築した他、R&Dに関する競争メカニズムを導入しました。

 

(2)    雄弁家のアリババ創業者のJack Ma氏は「政府と恋愛関係になっても良いが、結婚はしない(政府と連携はするが、深い関係にはならないということ)、アリババが変革能力を持てるための鍵は、変化がやってくる前に変わることだ」と言及しています。

常に思索を続けることで有名なファーウェイ創業者のRen Zhengfei氏は以下のように述べています。

ファーウェイは、欧米企業外が行かない不毛な市場を地道に開拓し、僅かな利益でも諦めなかったからこそ生き延びた(成功秘訣

社員は上司ではなく、常に顧客を大事にすべき。

顧客を熱い目線で注視し、上司にはお尻を向けて下さい(顧客第一)、商人は政治を語らない。

私は純粋な商人で、ファーウェイはビジネス組織であり、政治からは一線を引くことが重要(政治とビジネスの関係)」

 

(3)    BATHの成長要因として考えられるには、

①経済の重化に伴い、民間企業が発展したこと、

②インターネット人口が増加したこと、

③中国企業に有利な国内規制が働いたこと、緩いデータ反故規制(膨大なデータの蓄積)のあったこと

の3点であると言われています。

 

(4) ファーウェイを含めたBATHのこれからの課題には、

①次世代リーダーの育成、

②情報保護規制の動向(保護意識の向上と情報の売買・悪用)、

③エコシステム(デベロッパーやベンダーが平等に利益を得られる協業形式)の利害、

④BATHに対する挑戦者(協力なライバル)の出現

の4点があると考えられており、課題解決に向けて現在も挑戦中であることが伺えます。

 

日系企業が取るべき戦略

膨大な人口と安い人口費によって今や「世界の工場」と呼ばれるまでに成長した中国ですが、そんな中国に対して日本はどのような戦略をとっていけばよいのでしょうか?

 

その一つの方策として挙げられるのは、製造拠点の分散です。

チャイナプラスワン」という言葉がある通り、中国のみに製造拠点を構えるといった集中投資によるリスクを回避するため中国以外の拠点に事業投資を行うという経営戦略が日系企業では図られることがあります。

 

かつて中国は人件費の安い労働力の代表であり、その安い労働力を求めて日本を含めた世界中の企業の製造拠点が集まりました。

しかし現在では中国の開発や技術力の工場もあり、中国の労働力は決して安いとは言えない状況です。

そのため、ベトナムやインドネネシアなどの他の東南アジア諸国などに事業を展開していく企業が増えてきています。

 

米国のトランプ政権によって、中国製品に対する追加関税措置が計画されるというタイムリーな状況の中、BATH、ひいては中国市場をどう捉え、どう関わるか?ということが、日系企業が各々に迫られている状況にあると言えるでしょう。

もし日系企業が中国人のインバウンドマーケティングを狙っていくならば、BATHのサービス・プロダクトから目を逸らさず、それぞれの企業ごとに適した対策が必要になるでしょう。

 

アリババとテンセントの比較

中国国内で普及しているQRコード決済は、マーケットシェアとして、アリババのAlipay(支付宝)が40%、テンセントのWeChatPay(微信支付)が30%を誇ります。

両社共に、それぞれが強みを持つ電子商取引とビデオゲームでは成長が鈍化し、金融サービスの分野で覇権争いを繰り広げつつあります。

両社が2019年5月15日に発表した四半期決算では、テンセントの売上高は前年同期比16%増の850億元(124億ドル)と、10年余り前に上場して以降最低の伸びに留まりました。

モバイル決済、広告、動画配信の分野では大躍進を遂げましたが、主要事業で全収入の3分の1を占めるビデオゲームは、中国政府からの規制の厳格化を受けて停滞してしまったという形です。

他方アリババはと言うと、広告収入や中核のネット販売から得られる手数料を収益源として、調整後利益は5割近く増加したものの、電子商取引部門の取引額の伸びは通期で19%となり、前年度の28%を下回りました。

そもそも、テンセントの香港上場株は過去2年間、予想利益に基づくPER(株価収益率)が平均33倍で推移してきました。

これに対して、ニューヨーク上場のアリババ株の同期間の平均PERは27倍で、アリババ株よりもテンセント株の方が市場に好まれていることがわかります。

 

この背景には取引場所の違いがあり、香港では上場ハイテク銘柄が希少なため、ニューヨークより香港市場においてのバリューが高くなっていることが考えられます。

 

以上より、総じてアリババよりもテンセントが優勢であるということが言えるわけですが、現在市場に最もインパクトを与えているファーウェイ社の動向を最も注目する必要があるでしょう。

まとめ

ファーウェイ社を中心に、BATHに関する特徴やこれまでの成長、日本企業が取るベき行動について書いてきました。

アメリカち中国の国の政治に大きく影響をうけているファーウェイ社。

今後の動向次第では大きな変換点となることが予想されます。