Netflixでディズニーが見れない?ディズニーが発表した動画配信サービス「Disney+」から考えるアメリカの動画配信市場

Netflixでディズニーが見れない?ディズニーが発表した動画配信サービス「Disney+」から考えるアメリカの動画配信市場

こんにちは。チリ毛(@chirigetravel)です。

今回は5G技術の実用化を受けて盛んになっている動画市場に関する話題として、ディズニーキャラクターなどで世界的に有名な「ザ・ウォルト・ディズニー・カンパニー」が定額制動画配信サービス「Disney+」を発表しました。

これは結構大きなニュースで、アメリカの動画配信事業者の勢力図を大きく変える可能性があります。

それに伴って今回は、アメリカの動画配信市場の現在の状況とこれからついてご紹介していきたいと思います。

 

5G通信の拡大で今後動画市場はよりサービス拡大、利用者拡大の流れが強くなるでしょう。

ITに関わるビジネスパーソンだけでなく、動画に関わる機会がある人であれば、動画市場について知らないことで利益を逃してしまう可能性が非常に高いです。

そんな盛り上がっている市場において世界的に有名な「ディズニー」がどんな行動をとったのか、そして市場にどんな変化があったのか把握することで、今後の未来について考える良い機会になるでしょう。

 



アメリカの動画配信市場の現況

まずはアメリカの動画配信状況と「Disney+」の概要についてご紹介していきます。

Disneyが動画配信サービスNetflixに対抗するべく、SVOD(Subscription Video on Demand(定額制動画配信))サービスとして「Disney+」を2019年11月から開始することを発表しました。

SVODサービス自体はNetflixが最初に開始したものであり、これまでDisneyが手がける作品はNetflixに提供された上で配信されていました。

しかしこれからはNetflixへのコンテンツ提供が無くなり、「Disney+」にて動画配信されることとなりました。

 

この事例以外にもアメリカ国内では動画配信サービスを事業にしようとしている企業があります。

 

例えば、米国最大手の電話会社であるAT&T地域電話会社の参加であるComcast(NBCUniversal)社もD to Cサービスの提供に向けて準備を始めたことが発表されています。

 

またOTT(Over The Top動画・音声等のコンテンツ・サービスを提供する事業者のこと))でのビデオ視聴数や視聴者数の増加は、広告主の参画を促進し、AVOD(Advertising video on demand(無料VODで広告付きの動画配信サービス))への参入も増大する結果を生み出しました。

 

その他にもAmazonを宿敵とするWalmart(世界最大のスーパーマーケットチェーン。売上額で世界最大企業)もAVODを開始するなど、アメリカの大手企業が次々と参入してきているのが現状です。

 

そしてこの流れは5Gの開始により更に加速し、米国の放送業界は新たな岐路を迎える段階になったと言えるでしょう。

 

テレビ視聴の変化

Nielsen社(世界的な調査会社)調査によると、18-34歳の人口におけるTV放送視聴者の比率は、2016年から18年の間に5ポイント減少(86%から81%に変化)しました。

放送視聴以外のTVの1日の利用としては、18-34歳でストリーミングに4時間28分、ゲーム機に3時間33分、DVD/Blu-rayに32分となっており、テレビを見る時間の減少に合わせ、動画視聴時間が大きな割合を締めていることがわかります。

 

Conviva社(自社サービスが海外の主要動画配信サービスで多数の採用実績のあり)の調査によると、OTTビデオ再生時間のデバイス別割合としては、コネクテッドTV(テレビとインターネットが結びついたデバイス)が過半数を超えているとのこです(56%で他モバイルが23%、PCが14%)。

 

そんな状況をうけてか、テレビ業界もただ傍観しているわけではありません。

 

テレビ離れを防ごうと、CBS(米最大のテレビ・ラジオ・ネットワークを有する放送局)はAll Access社のサービスを活用して、地上波とインターネットで同時にコンテンツを配信するサービスを提供しています。

しかし視聴者のTV離れは、インターネットとの同時配信だけで解決できる問題では無いようです。

 

媒体が異なれば、視聴者層が異なり、コンテンツも異なる。また地上波と多チャンネルサービスの番組構成が異なるということが、TV離れの直接的要因として想定されます。

 

TVネットワークのD to C化

D to C化とは、Direct-to-Consumerの略で、自ら企画、製造した商品をどこの店舗も介すことなく自社のECサイトで直接顧客へ販売するビジネスモデルのことを言います。

テレビからインターネットへの人の移動は簡単に防げるものではなく、 TVの媒体が地上波とケーブルTVからインターネットに変わることで、Disney、WarnerMedia等のTVネットワークもOTTで視聴者への直接配信(D to C)を開始するようになりました。

 

これまで一部の業者を除き、多くのネットワーク事業者は直接配信を避けてきました。

ネットワーク事業者は多チャンネルサービス事業者と業務提携契約を締結した場合のコストを危惧し、さらにはOTTサービスで多チャンネルサービス事業者と競合関係になることを恐れていたからです。

 

しかし、現在は多チャンネルサービス加入者が減り続けています。

さらに前述のように、34歳以下の世代は、テレビ視聴の媒体がインターネットになり始めています。

その結果テレビ放送からの収入は減っており、ネットワーク事業者もOTTでのコンシューマーへの直接配信(D to C)をしなければならない局面に立たされました。

なぜならネットワーク事業者は、生み出したコンテンツにつきNetflix、Amazon等のプラットフォーム上での配信を続けると、いずれは下請けとしての事業価値しか有さないことになり、企業としてのブランド価値を失う可能性が高いからです。

 

企業ブランドを保つためには、自らがコンテンツを作成し提供する立場に立たなければならないのです。

 

今後Disneyコンテンツが配信されるサービス

それではここからは具体的にディズニー社の動画配信サービスである「Disney+」も含め、ディズニーコンテンツが配信されるサービスについてご紹介します。

 

DisneyはこれまでNetflixへのコンテンツ供給契約、さらにはオリジナルコンテンツの制作を通じ、Netflixのビジネスを勉強してきました。

Disneyコンテンツの配信はこれから、Disney+、Netflix競合のHulu、スポーツ配信のESPN+の三本柱に限定されることになります。

Disney+はファミリー向けコンテンツのSVODで、Disney、Pixar、Marvel、Star Wars、National Geographic(Fox)のコンテンツを配信することを予定しています。

オリジナルコンテンツとして、MarvelとStar Warsのシリーズが決まっており、月々$7で開始する予定です。

 

またHuluに関しては、DisneyがFoxを買収したことで、Huluの66%を持つことになりました。

今後はFox系動画、オリジナルコンテンツへの投資も増やす予定だそうです。

Huluの利用額は月々$6であるため、Disney+とHulu共に契約した場合は$13で、この金額は競合となるNetflixと同額になります。

 

スポーツ専門ネットワークのESPNについては、ESPN+というサービスを2018年4月に開始しています。

まとめ

今回はアメリカの動画配信市場の状況について、ディズニー社を中心にご紹介していきました。

今回のNetflixへのディズニーコンテンツの配信ストップのニュースをうけて、アメリカの動画配信事業の勢力図は大きく変わることになるでしょう。

もしかしたらディズニーの一人勝ちのような状況になってしまうかもしれません。

 

しかしそう危惧された矢先、Netflix社が日本のアニメ制作会社と包括的業務提携を進めているというニュースも流れています。

Netflixはディズニーが抜けた穴を日本のアニメで埋めることで対抗していこうとしている姿勢が伺えます。

 

今後動画配信市場がどのように変化していくのか、目が話せません。