中国「BATH」とは?中国IT市場の概要とこれまでの事業成長について簡単に紹介

中国「BATH」とは?中国IT市場の概要とこれまでの事業成長について簡単に紹介

こんにちは。チリ毛(@chirigetravel)です。

今回は最近よく耳にするようになった中国四大プラットフォーマーである 「BATH」 について、

  • BATHとは?
  • どんな事業をしているのか?
  • どう成長していくのか?

について、元IT業界勤務の私が紹介していこうと思います。

 

アメリカの「GAFA」はIT界隈の社会人であればよく耳にする言葉かと思いますが、それに対をなす形で中国にも同様の造語が存在します。

急速な経済成長で世界から無視できない存在となった中国。

その中核をなす企業の概要についてご紹介していきたいと思います。

 



中国 「BATH」 とは?

BATH とは中国企業である

  • バイドゥ
  • アリババ
  • テンセント
  • ファーウェイ

のことで、中国版 GAFA(Google・Amazon・Facebook・Apple)のような存在として、中国経済/社会の変革を牽引しており、最近話題の米中貿易摩擦の発端ともなった中国の技術革新を支えています。

 

FINTECH、AI の領域での ICT 企業としての活動に留まらず、ニューリテール等の多くの分野に進出した BATH 四社のサービス・プロダクトが中国人の生活に今や不可欠なものとなり、中国国内では絶対の規模と影響力を示すようになりました。

 

さらに、BATH 四社は積極的に海外進出を図っています。

 

中国のIT市場の歴史的変遷と BATH 台頭の歴史

BATH の誕生には、中国の歴史を振り返らずには説明することは難しいです。

そのため、簡単に近代中国の歴史についてご紹介したいと思います。

 

(1) 1978 年の「改革解放」時には製造業が発展し、都市部の生産性が飛躍的に向上しました。

いっぽう、農業で生計を立てていた農村部と都市部とでは経済格差が拡大し、一人っ子政策などの影響を受け、現在では少子高齢化が進行し、2014 年から生産年齢人口が減少に転じました。

 

(2)中国が 2014 年頃から技術革新・イノベーションを旗印に戦略を転回し、デジタルエコノミーの規模を拡大させました。

(2002 年時は 1.2 兆元(19.2 兆円)で、GDP に占める割合が 10.3%であったデジタルエコノミーの規模が、2017 年には 27.2 兆元(435.2 兆円)で、GDP に占める割合が 32.9%。)。

 

(3) ハイテク・デジタル分野で米中の覇権争いが本格化し、2019 年 5 月、米中は関税報復合戦を繰り広げています。

(中国として「米国との摩擦と戦争」という言葉は世論を喚起することになるためにマスコミ上で使わないようにしていましたが、5 月 13 日(月)には北京の中央テレビの番組内で、米国との対立に応戦すると宣言されました)

 

(4) 2019 年 5 月、ICT インフラの整備によってインターネット人口が増加の一途を辿り、PC 端末からモバイル端末への移行が急速に進行、スマホに依存するライフスタイルが確立しています。

但し、セキュリティの問題は個人の責任という中国の独自のスタイルがあり、中国国民はウィルス等への対応は企業ではなく、個人で行う必要があります。

 

(5) 企業の時価総額ランキングにおいては、2008 年時、エネルギーの関連会社がトップ 10に入っていましたが、2018 年時には ICT 企業が台頭するようになりました。

 

(6) 1990 年代後半から 2000 年代にかけては、BATH に代表されるプラットフォーマーの起業家の特徴として、バイドゥ創業者の Robin Li(李彦宏(リ・ゲンコウ))氏のように帰国組が多く、自国に帰って海外のビジネスモデルの真似をすることが多かった。

しかし2010 年以降は、ベンチャーとして、DJI というドローン企業がスタートアップしたり、Face++という顔認証の企業が立ち上がるなど、技術トレンドに魅了された若者が起業することが多くなっています。

 

BATH の事業内容と成長

それではここからは「BATH」の具体的な事業内容やこれまでの成長についてご紹介します。

 

(1) アリババとテンセントは、当時のスマートフォン普及に当たり、モバイル関連の新事業を創造しましたが、バイドゥは検索エンジンに拘ったため、時価総額に AT(アリババ・テンセント)企業と開きが出ました。

ファーウェイはAI開発投資を積極的に進めており、R&D 費用が四企業でトップ(896.9 億円、2018 年)となっています。

 

(2) 中国ではプラットフォームを「平台」と表現し、様々なリソース・プレイヤーが集結する場になっています。

時価総額の大きな企業は、ビジネス発展/拡大の場としてのプラットフォームの競争優位性の確保を行っており、単独の収益より、多くの収益源(インフラ、手数料、広告等)の獲得を遂行しています。

 

(3) プラットフォーマーはネットワーク外部性を意識し、利用者の数が増えれば増える程、利用者の利便性・サービス価値の向上を図ることが可能になることを前提に、スタートアップ当初は、ユーザー数を増加させ、囲い込むことを主眼に置いていました。

その結果、ユーザー増加とサービス利用との間の好循環を生み出していました。

 

まとめ

今回は BATH の概要についてご紹介致しました。

中国政府の国民管理施策の「金盾(キンジュン)」「グレートファイヤーウォール」と呼ばれるインターネットブロッキングシステムは皆様ご存知だとは思いますが、米国企業である「GAFA」 のサービスは、中国国内のプロバイダからはアクセスができません。

この「グレートファイヤーウォール」の存在が今やインフルエンサーとしての巨大プラットフォーマーである BATH を生み出し、育て上げたといっても過言ではありません。

そして日経企業が中国人のインバウンドマーケティングを企図するならば、BATH のサービス・プロダクトに目を瞑る訳にはいかなくなっているという点があります。

今後BATHに対して日系企業はGAFAとは別の戦略を打って行く必要があると言えるでしょう。