ビジネスで使える心理学 営業やマーケティングで効果的な「文脈効果」とは

ビジネスで使える心理学 営業やマーケティングで効果的な「文脈効果」とは

この記事ではビジネで活用できる心理学テクニックの一つである、「文脈効果」について、活用方法についてご紹介します。

 

心理学にはビジネスで使えるものが数多くありますが、「文脈効果」を活用する手法は非常に実践的です。

現実社会で生かしやすいノウハウであるとも言い換えることが出来ます。

 

内容をしっかり理解できれば、あなたの仕事に生かすことが出来るでしょう。

 



文脈効果とは

そもそも文脈効果とは何か?ということについてご説明します。

文脈効果の起源はアメリカの心理学者であるジェムローン・シーモア・ブルーナー(Jerome Seymour Bruner)氏が発表した研究が始まりです。

 

文脈効果とは、文章や会話、物事などを理解する事において、対象とするのもも前後関係によって対象そのものの意味合いが変わる現象のことを言います。

 

細かな表現は人によって変わりますが簡単に言ってしまうと、

あらゆる物事はそれ単体では意味は決定せず、前後の流れや状況から影響を受けている

ということです。

 

小難しいですね。

いくつか例を上げてみましょう。

 

文脈効果の例

例えば、「タオル取ってくれない?」とあなたが頼まれたとします。

しかしタオルとはバスタオルからハンドタオルまで幅広くありますし、「誰のタオル」か、「どこにあるタオル」かなど、言葉だけを切り取って考えてみると、相手が望むタオルを正確に把握する事ができません。

 

しかし相手が風呂場から濡れた身体を半分出しながら、「タオル取ってくれない?」言われていれば、「バスタオルが欲しいんだな」ということが判断できます。

 

例を考えてみれば非常に単純な話です。

「文脈効果」自体はコミュニケーションを取る中で誰しもが行っていることです。

周りの状況から事柄を判断するという「文脈効果」は、言い換えてしまうと空気を読む力とも言えるかもしれません。

 

営業での活用

そんな文脈効果ですが、営業の場で活かすとしたらどうすべきかご紹介します。

 

それは、

仕事に入る前にプライベートトークでクライアントとの距離感を詰めておく

ことです。

 

営業において商品を買ってくれたり仕事を紹介してくれるクライアントは非常に重要なものです。

クライアントとの関係性が良好であればあるほど、積極的に仕事を依頼してくれたり多めに商品を買ってくれたり、裏情報などを教えてくれるなど、自分にとってメリットが大きくなるものです。

 

しかしクライアントと関係性を築くのが苦手としている人も営業をしている方の中にはいらっしゃるでしょうし、自分とは馬の合わなそうな顧客と良い関係性が築けないということもあるでしょう。

 

関係性の浅いクライアントと、より強い関係性を築くためにはどうしたらよいか?

それは、プライベートの話題を共有することです。

 

以下のような実験があります。

アメリカのニューヨーク大学のグレーニー・フィッツサイモンズは、実験の被験者にある2つの質問をする実験を行いました。

まず半分の人には「あなたの友人について聞かせてください」と聞き、

もう半分の人には「あなたの同僚について聞かせてください」と聞きました。

 

そしてその後「もう少し時間をかけて聞かせて頂きたいことがるんですが、答えてくださいますか?」と尋ねたところ、

友人」について尋ねた被験者グループは52%が「良いですよ」とOKしたのに対して、

同僚」について聞いた被験者グループはたったの18%しかOKがもらえなかったのだ。

 

これは、友人などの自分にとって親しみやすい事柄が話の前後にあると、積極的に関わりたいという願望が強くなることを証明しています。

 

趣味から仕事へと話を段階的につなげていくことは、「文脈効果」を活用した営業手法として非常に有効なのです。

 

営業にとって雑談力が重要と言われたり、仕事と関係のない一見無駄な話を永遠としているのに仕事をあっさりともらってくる営業がいるのは、この「文脈効果」を用いてクライアントとの関係性を構築しているからであると言えます。

 

中には無駄話が嫌いなクライアントも居ます。その場合はしっかりと仕事の話を手短にこなし、移動時間などの隙間時間にうまくプライベートトークを挟み込むと効果的でしょう。

 

マーケティングでの活用

次にマーケティングにおける「文脈効果」の活用法についていくつかご紹介します。

文脈効果は、マーケティングにおいて購買状況や使用状況によって、顧客に価格の感じ方を変化させるために用いられることがあります。

 

キャッチコピーを変える

よく利用される方法の一つとして、広告などのキャッチコピーを利用する方法があります。

特定の商品に対して印象の良いキャッチコピーをつけることで、その商品自体にも良い印象を与えるという手法です。

 

例えば、

  • 「24時間戦えますか。」リゲイン
  • 「撮るという、アイラブユー」デジタル一眼/オリンパス
  • 「ゲームでした味わえない感動がある」ゼルダの伝説 時のオカリナ

など、実際の商品そのものに対する説明が無くともキャッチコピーに使われる言葉の質が高く、印象のに残り、良いイメージを連想させることで、その商品自体の価値を上げることが出来ます。

 

しかしキャッチコピーは盛りすぎると「詐欺」呼ばわりされてしまうこともありますので、やりすぎには注意しましょう。

 

シチュエーションを変える

商品を販売するシチュエーションを変えるだけで、その商品の価値を変えることが出来ます。

 

例えば、

「自動販売機で販売されているジュース」と、

「高級なバーで販売されているジュース」では、

同じジュースでも提供される価格は大きく違うのに、人々は同様に購入します。

 

またスーパーマーケットで野菜を販売する際に、ただ野菜を並べるのではなく、木箱に入れることで産地直送のイメージが与えられ新鮮な印象になったり、魚を売る際に下に氷を敷き詰めた上に魚を並べることで、同様に新鮮なイメージを与える事ができます。

 

このように商品を販売するシチュエーションを変えるだけで、商品自体にも大きく影響します。

これを活用して、できるだけ売りたい商品に対してできるだけ価値があるようなシチュエーションで販売すると、商品の売上を伸ばすことが出来るでしょう。

 

周りの見た目を変える

「シチュエーションを変える」とほぼ同じような内容ではありますが、

商品自体を変えなくとも、商品の前後の時間軸や周辺の環境を変えるだけで商品の販売数が伸びることがあります。

 

例えば、

全く同じ食べ物を高級なお皿に盛り付けて展示する場合と、

安物の紙皿に盛り付けて展示するのでは、

その食べ物から受ける印象は大きく変わります。

 

また同じ商品を提供するお店が隣り合って存在した場合、

片方は清潔で豪華な店構えで、

もう片方は汚くみすぼらしい店構えだとします。

提供する商品が同じだとしても、清潔な店から提供される商品からは清潔感を、汚い店から提供される商品からは汚い印象を受けるのではないでしょうか。

 

つまり、消費者が感じる価値とは、製品自体により生み出される価値だけはなく、周辺の情報からも影響をうけているのです。

 

売りたい商品があればその商品だけではなく、その周辺を清潔にしたり高級感を演出するように工夫することで、良い効果が得られるでしょう。

 

世間の印象を変える

上記で説明した「キャッチコピーを変える」の延長線にある活用方法ですが、

特定の商品に対する世間の認識を変えてしまうというのも「文脈効果」のマーケティングでの活用方法です。

 

例えば、

  • 静岡といえばお茶
  • 博多といえば明太子
  • 居酒屋ではとりあえず生ビール
  • 食欲の秋

など、「〇〇といえば~~」「〇〇に行けば~~する」といったイメージを、特定の商品のイメージを世間に植え付けるようにするのです。

 

このイメージを植え付けるというのも一種の「文脈効果」と言えます。

 

このような特定の印象を与える文脈がクライアントの頭の中に自然と作り上げることができれば、マーケティングにおける文脈効果は成功しているのです。

 

まとめ

ビジネで活用できる心理学テクニックの一つである、「文脈効果」についてご紹介しました。

 

「文脈効果」そのものの考え方は非常に簡単ですが、活用の仕方はセールスからマーケティング・コピーライティングと幅広いです。

 

商品そのものだけでなく、その前後関係や販売する環境、相手との関係性の作り方など、色んな面で活用できる心理的テクニックですので、あなたが今置かれている状況において、どう活用できるかを考えて頂ければと思います。

 

この記事があなたのお役に少しでも立てば幸いです。