営業で使える心理学 営業効果を高める単純接触効果とは
- 2018.11.22
- 心理学

この記事では営業効果を高める単純接触効果についてご紹介します。
「仕事には粘りが大事」などとよく言われることも多いと思います。(少し昭和的な価値観かもしれませんが。。。)
しかし営業などの交渉の場においては、必ずしも粘り強さを発揮して食い下がれば良いと言うわけではありません。
営業の交渉の場において粘りすぎて失敗をしたことがある方も少なくないはず。
この記事を読めば、あえて粘ら無いことで営業効果を上げる方法と理由が理解出来るでしょうし、あなたの営業活動に活かすことが出来るでしょう。
単純接触効果とは
単純接触効果とは、人と繰り返し接することで好意度や印象が高まるという効果のことを言います。
もう少し詳しく言いますと、初めのうちは興味がなかったり苦手だったりしたものであっても、何度も見たり聞いたりしているうちに、次第によい感情が起こるようになってくる効果のことを言います。
これを人間関係に置き換えると、短い時間であっても何度か顔を合わせているうちに、次第に会っている相手に対して好意的な感情を抱くようになるということです。
粘り過ぎに注意
これを営業の現場に置き換えて考えてみましょう。
クライアントと知り合ってからものを買ってもらうまで、営業視点で言えば効率を考えると出来るだけ短い時間で大きい金額の実績を作りたいと思うことでしょう。
短期間で成果を上げることを考えると、ついつい会う回数が少なく、まだ信頼関係も出来上がっていない状況で、重要なビジネスの交渉をしてしまいがちになります。
それに従い、1回の打ち合わせの中で話す内容を多くしようとしてしまい、長時間の打ち合わせになってしまいます。
しかしこれは単純接触効果の観点で言うと非常にナンセンスと言えます。
自分が顧客の立場になった時を想像してみてください。
一度打ち合わせにやってくると長時間粘って話を続けようといつまでも居座るタイプの営業は、二度と来てほしくないと思うはずです。
逆にサラリと簡単な言葉だけを交わし、こちらが忙しかったり興味が無い場合はすぐに帰ってくれる営業には好感が持てることでしょう。
間違った営業手法「ブーメラン法」
単純接触効果と関連して、一時期ブーメラン法という営業手法が流行り、多くの営業マンがこの手法を多用していた時期があります。
どんな手法かと言うと、相手からでてくるネガティブな意見を正面からひっくり返してでもとにかく食い下がるというテクニックです。
具体的に言うと、

お客「ちょっとサイズが大きすぎるんじゃないかしら?」

営業「そうなんです!このサイズが大きいのには理由があるんです!」
というように、クライアントから出てきた「大きすぎる」というネガティブな意見を、「大きいのには理由があるんです」といってひっくり返して食い下がるような方法です。
しかしこのブーメラン法はむしろマイナスの効果を発揮するというデータが最近になって出てきたのです。
アメリカのイースト・キャロライナ大学のレイド・クラクストン博士は流通・製造業のバイヤー242名にその交渉テクニックと効果について確認しました。
結果、ブーメラン法が売上につながらない事が証明されたのです。
接触回数を重ねる
上記のブーメラン法のことを考えても、営業の際は相手が嫌悪感を示したら粘ることはせず潔く引き下がり、
「本日ご指摘いただいた点を改善してきますので、また改めてお伺いさせて頂いてもよろしいですか?」
と、次の訪問の約束を取り付けるだけして早々に立ち去ったほうが良いのです。
ここで重要なのが潔く引き下がるとしても、しっかりと次回のアポイントの約束を取り付けておくことです。
次回にする話題をその場である程度しておかないと、営業する側から改めてアポイントを取るハードルが非常に高くなります。
「次回こそ有用な話を持っていきます!」という意思表示も込めて、どんな要件で訪問をさせてもらえるかを、その場である程度方向性を決めてしまうのです。
そして、一度に長く関わるのではなく、短い時間であっても合う回数を増やしていくことを心がけましょう。
まとめ
営業効果を高める単純接触効果についてご紹介しました。
単純接触法は心理学では昨今最も効果的な交渉術の一つであると考えられています。
1回の交渉で相手を口説き落とそうと思わずに、何度も何度も会うことによって相手に親近感を持たせ、相手の都合の良いタイミングと内容で交渉に望む。
そうすれば、あなたの営業での交渉はうまくいく確立が格段に上がることでしょう。
この記事が少しでもあなたの役に立てば幸いです。
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