ビジネスで長い付き合いの為に欠かせない「両面提示」の心理的テクニック
- 2018.10.12
- 心理学

この記事ではビジネスにおいて顧客と長い付き合いをしていくために必須となる心理テクニックである「両面提示」についてご紹介します。
ビジネスの中では大なり小なり顧客によって重要性に差が出るものであり、あなたがビジネス上で関係を持つ取引先と長く付きっていけるか、または一度きりの取引となってしまうかは、社会人生活を左右する重要なことです。
しかし新しい取引先とはじめての仕事が終わり、自分は継続して仕事をいっしょにやっていきたいのに、その後新しい仕事の連絡は貰えないこともあるでしょう。
そこで重要となってくるのが「両面提示」という心理的テクニックです。
この記事を読めば「両面提示」をつかってどうやって顧客と長く良好な関係を築く事ができるか、理解できるでしょう。
商品の悪いところも伝える
交渉の際に人に信頼してもらうためには、欠点や悪いところではなく、なるべく自分や会社の良いところを知ってもらいたいと思うのは人間として当然の心理です。
そのため、「当社の製品は他社製品より20%も高性能で、価格も10%低い。そのためマーケットシェアは50%以上です!」
といった、良いところばかりを述べているキャッチコピーをそのまま受け売りしたくなります。
しかし良い面ばかりを押し出した宣伝文句やキャッチコピーというのは、一見すると効果的に思えますが、実際のところ誰もが「本当だろうか。。。」と疑ってしまうものなのです。
それは何故か?
成人を超えるような人々は皆これまでの人生の経験から、本当は負の要素がない商品などこの世に存在しないし、プラス要素ばかりアピールされても実際のところは他の商品よりマイナスの要素がいくつもある事を、無意識のうちにでも理解しているのです。
そのため、むしろマイナスの要素であっても先に提示した上で、マイナスの要素を差し引いたとしてもどれほど良い点があるかを伝えると、相手はより信頼するようになるのです。
そうした信頼を勝ち得ることで、顧客はあなたのことを「自分に都合が悪い事でも正直に話す人間であり、信用が置ける」と判断し、その信頼が続く限りあなたのことを長期的にビジネスパートナーとして重宝してくれるでしょう。
ビジネスには関係を持つ相手との信頼関係は不可欠です。
信頼関係を築く方法を多くありますが、「両面提示」の心理テクニックを使うと、自分の都合の悪いマイナスなこともあえて正直に言うことで、本来のデメリットと引き換えに信頼というプラスのポイントが生まれるのです。
両面提示の有効性を証明する
両面提示って聞いたこと無いけど、ホントに有効なん!?
とお考えの方も多いでしょう。
両面提示の有効性を調べた以下のような実験があります。
南カルフォルニア大学のマイケル・カミンズ氏は、ボールペンの特性を書いた2つの広告を作り、その好感度を確かめた。
1つの広告は5つの長所のみを記載し、もう1つの広告は加えて2つの短所も記載した。その結果、被験者は短所を書いた広告のほうが、長所のみを書かれた広告よりも5倍も好感度があるという結果が出たのです。
このことからも、信頼や好感度を得る手法として「両面提示」は有効であることを示しています。
加えて世間においてもこの心理的テクニックは信頼や好感度を得る手法として欠かせないものであると認められています。
「この商品は競合商品と比べて全てにおいて素晴らしく、非の打ち所がない」と言われるよりも、
「この商品は競合商品と比べて機器性能の点では劣るが、機能の多さと価格が安いという長所があります」という伝え方の方が信用されるのです。
まとめ
「両面提示」を利用して信頼関係を構築し、顧客と長期に渡って付き合っていくためのポイントをご説明しました。
因みに「両面提示」と反対の意味で使われる「片面提示」についての詳細な内容については以下の記事でも詳しく解説しています。
都合の悪い点も隠し立てせず正直に打ち明ける。
それだけであなたの仕事の人間関係は劇的に良くなり、安定して仕事を得ることが出来るようになるでしょう。
何でもかんでも馬鹿正直に話してしまうのは、大人の世界には「本音と建前」や「言葉の裏を読め」などの文化もあるのでは好ましくないと言われることも多いですので、その点のバランスは考える必要があります。
しかし正直者は信頼されるというのは今も昔も、ビジネスでもプライベートでも変わらないのです。
この記事があなたの役に少しでも立てば幸いです。
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